モザイク != Mosaic

id:kaito834:20090829の投稿で Twitter クライアントのスクリーンショット画像に Gimp でモザイク加工して掲載しましたが、ふっと思う。「モザイクを復元ってできないんだよね、もちろん」。これまでも画像にモザイク加工を施してきたけど、インターネットに公開するってことがなかったので、それほど気にしなかった。インターネット上で公開するとなると気になるわけで、モザイクに関して調べてみる。

同様の目的に使用される処理としては、ぼかし処理・反転処理などがある。モザイク処理には、非可逆変換と可逆変換とがある。
モザイク (フランス語 mose〓q) は、寄せ木細工のような美術作品を意味する用語から来ている。英語でもmosaic(発音はモゼーイック)と言うこともあるが、pixelization(直訳すればピクセル化)のほうが一般的である。なお、モザイク写真とは、モザイクのように継ぎ合わせて作った写真のことで、モザイク処理とは関係ない。

モザイク処理 - Wikipedia(2009/09/01 現在)

非可逆変換、可逆変換があるということで、該当のモザイク処理が非可逆変換であれば、論理上元画像を復元できないわけだ。気になったのは、モザイク処理というのは日本的な呼称であって、英語では「pixelization」と呼ぶのが一般的とのこと。先日の画像加工で利用したGimpのオンラインドキュメント*1では、確かに Pixelize と表現していた。で、非可逆変換について、Wikipedia では以下のように記述がある。なるほど。

非可逆変換の方法としては、一定領域の色情報を読み込んでその平均値を算出し求められた結果をもとに画像を処理する方法や、一定領域の代表値で全体を塗りつぶす方法などがある。大半の動画・静止画のモザイク処理は、非可逆変換である。

モザイク処理 - Wikipedia(2009/09/01 現在)

Gimp でのモザイク処理した画像が復元できそうにないと判断したところで、Wikipedia を読んでいたら気になる記述があった。

象印クイズ ヒントでピント - この番組の為にNECが開発し、テレビ番組で初めて使用された。

モザイク処理 - Wikipedia(2009/09/01 現在)

なんと!そうだったのか。残念ながら、この番組に関して覚えがないので、該当の Wikipedia の記事を読んでみる。

「テクニカル」とは、モザイク処理を施した映像を流し、時間の経過に従ってモザイクを細かくしていく=元の画像に近い状態に戻していくという形態の映像クイズである。今日のテレビでよく見かけるモザイク処理は、この番組のために当時のNECが発明したものである。テレビ番組ではもちろん初めての試み。出題パート4はモザイクに限らず、さまざまな画像処理が行われた[1]。

象印クイズ ヒントでピント - Wikipedia(2009/09/01 現在)

そうなのかーと思い、Google 先生にお伺いしていると、テクニカル問題の中には本来の意味でのモザイク(Mosaic)を利用したクイズもあった模様(リンク先の画像を参照)。ここから推測ですが、テクニカルクイズにはいくつか種類(pixelization した状態から元画像を当てる、元画像を分割してばらばらにした状態から元画像を当てる等)あったんだけど、モザイク処理したクイズが人気があるため、一般的にテクニカルクイズ=モザイククイズと認知され、モザイク=pixelize として定着したという感じ?こう語源を調べてみると面白い*2

歴史的にモザイク処理が一般に利用されたのは、1973年のようです。“Lincoln illusion”と呼ばれているようです。1979年にヒントでピントが放映開始しているところをふまえると、この辺りにヒントを得たのかもしれません。

【おまけ】
IE の拡張仕様だと思いますが、IE では各種画像にフィルタ処理を施す style 属性が実装されていました。これは知らなかった。Internet Explorer 8 でもこれらのフィルタ処理は利用できることは確認済み。フィルタ処理した画像をそのまま保存できると、Windows標準環境でもモザイク画像が作れるんだけどな。

[追記 2009/09/01]
はてなキーワードのkeyword:モザイクの説明は適切な気がする。素晴らしい仕事。というより、最初にはてなキーワードを読むべきだったかも。

【収集用メールアドレス】:q1w2e3w2@gmail.com

*1:http://docs.gimp.org/2.6/en/plug-in-pixelize.html

*2:必ずしも正しいわけではないでしょうが